前回記事では、仮配線を行ってHUDが正常に動くことを確認した。
本記事では、取付のためにちゃんとした配線を作る。
HUD側の配線
ピンアサイン
このHUDモジュールには16ピンのコネクタが一個ついている。
コネクタ型番: TE 1939082-9
ピン番号 | 色 | 配線名 | 接続先 |
---|---|---|---|
1 | 紫V |
IG | イグニッション電源 |
2 | スカイブルーSB |
B | バッテリー電源 |
4 | 白・黒W-B |
ES | アース |
12 | ライトグリーンLG |
MPX1 | CAN通信(High) |
13 | 白W |
MPX2 | CAN通信(Low) |
14 | 黒B |
TX+ | ディスプレイオーディオ CNH1 |
15 | 黄Y |
TX- | ディスプレイオーディオ CNL1 |
7ピンしか使わないのにどうして16ピンも付いてる立派なコネクタを使っているんですか??
おそらくTEの0.50コネクタシステムにはピン数が少ないラインナップがなく、16ピンが最小なのだと思われる。(知らんけど)
カローラの内装をバラしてみたが、ハーネスのコネクタのほとんどがTEの0.50コネクタシステムに統一されていた。何らかの意図をもってコネクタ規格を統一している?
基板改造
TEのコネクタを買う方法なぞ知らないので、コネクタは使わないことにした。
HUDモジュールを分解し、基板に直接リード線を接続した。
信号線のパターンはピッチが狭いので、ポリウレタン線を使って引き出した。
最後に、瞬間接着剤とポリイミドテープでケーブルが外れないよう固定した。

ハーネスの作成
- 必要な配線は、すべてメーターに繋がる配線から取ることができる。
MPX1
,MPX2
以外の配線は、カーナビから取ることもできる。 メーター裏のコネクタから分岐させるハーネスを作れば、非常に簡単に済む。誰か商品化してほしい。
ディスプレイオーディオからの分岐
今回は、車両側ハーネスの加工は最小限とするために、可能な限りカーナビから配線を取ることにした。
30ピンの白コネクタと28ピンの灰色コネクタから配線を分岐させる。28ピンの黒コネクタは使わない。同じ形状なので誤挿入に注意!
私の車には、エンラージ商事「TV&ナビキャンセラー」が付いているので、このキットを加工すれば車両側の配線はいじらずに済む。
(参考)ディスプレイオーディオのピンアサイン : https://minkara.carview.co.jp/userid/787676/car/2999452/5996767/note.aspx
灰色28ピンコネクタ
電源を取る
DAピン名 | DAピン番号 | HUDピン番号 | |
---|---|---|---|
GND | 1 | – | 4 |
B+ | 4 | – | 2 |
白30ピンコネクタ
信号線を取る
DAピン名 | DAピン番号 | HUDピン番号 | |
---|---|---|---|
IG+ | 19 | – | 1 |
CNH1 | 5 | – | 14 |
CNL1 | 6 | – | 15 |
CNH1,CNL1は(おそらく)差動信号なので、ツイストペアケーブルみたいにねじっておくのが良いと思われる。
CAN通信の分岐
車両のCANバスはゲートウェイよって5個程度に分割されている。ディスプレイオーディオとHUDでは接続するCANバスが異なるため、カーナビからCAN通信の配線を分岐させることができない。
(もしかしたらカーナビ用のCANバスを接続しても動くかもしれない。試してないので知らない)
HUD用のCAN通信はメーターやエアコンアンプなどいろいろな場所から取ることができるが、今回は作業性の観点から、ダッシュボード裏の"MPX BODY COMPUTER"(23810-12K40
)から分岐させた。
ブレッドボード用のジャンパー線のピンをコネクタの裏側から差し込むと、非破壊で配線を分岐させることができる。
しかし接触不良を起こしそうなので、別の方法で分岐させるのが望ましい。
ピン名 | ピン番号 | 色 | HUDピン番号 | |
---|---|---|---|---|
CANL | 4 | 白 | – | 13 |
CANH | 5 | 黒 | – | 12 |
CAN通信は差動信号なので、ツイストペアケーブルみたいにねじっておくのが良い。
信号品質の観点から、分岐させる配線はなるべく短くした方が良い。
メーターの配線から分岐させると配線長が最短となるだろう。"MPX BODY COMPUTER"から分岐させるのは配線が長くなるので本来なら望ましくない。
2mくらい引き延ばしてるけど正常に動いてるから気にしなくてもいいか… 🤔
2mも伸ばしたところ、「余ったケーブルを束ねるとHUDが認識せず、束ねずに広げておくと認識する」とかいう奇妙な現象が起きた。ギリギリの信号品質で動作しているため、ケーブルを束ねることによってインダクタンス・寄生容量が増加して信号波形が崩れてダメになる、みたいな感じでしょうね。
変な不具合に悩まされたくなかったら、なるべく短くすることです。

“カローラスポーツに純正HUDを後付け [配線編]” への2件のフィードバック