Galaxyスマートフォンのバッテリー状態を見る

Galaxyスマートフォンのサイクルカウント・消費電流・バッテリー推定容量などを調べる方法について。

Alliance Shield Xアプリを使って、 com.sec.android.app.factorykeystringアプリの BatteryStatusEng (com.sec.android.app.status.BatteryStatusEng)アクティビティを開くと、バッテリーの状態を確認できます。
サイクルカウント、現在のバッテリー推定容量、現在の消費電流、ワイヤレス充電の電圧・電流・周波数などを見ることができます。

  • Battery Cycle : サイクルカウント
    • 一般に、サイクルカウント500回が寿命の目安と言われています。
  • FG Cycle : FuelGauge(バッテリー管理アルゴリズム)のリセットからのサイクルカウント
    • 普通は Battery Cycle とだいたい同じ数値となる?
    • 修理に出すと0にリセットされる? (修理に出したことのあるスマホだと FG Cycle が明らかに少ない)
  • FG Fullcapnom :満充電時のバッテリー容量の推定値?
    • 正確性に欠ける推定値なので、信用しないほうがいいかも
    • Q. サイクルカウント0の新品なのにFG Fullcapnomがスペックシート値より大幅に小さいのはなぜ?
    • A. サイクルカウントが少なすぎて容量を正確に測定できてないと思われる
  • Main Current Now, Sub Current Now : バッテリーの電流値
    • 放電中はプラス、充電中はマイナス
  • System current は、ディスプレイ・CPU・モデムなどスマートフォンで消費している電流値
    • Wi-Fiのオンオフでの違いとか、アプリ使用中の消費電力とか、その辺を測ると面白そう
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LTE通信規制のパケットキャプチャ

sib2 ac-BarringInfo
        ac-BarringForMO-Signalling
            ac-BarringFactor: p10 (2)
            ac-BarringTime: s4 (0)
            ac-BarringForSpecialAC: 00

2021/10/14 22:40ごろに、ドコモLTE回線の SIB2 (System Information Block Type2) をキャプチャしたものです。
この時刻は、ドコモのコアネットワークで大規模障害が発生し、復旧作業が進められているタイミングです。
何の対策もせずに復旧させると大量の端末が同じタイミングで接続を再試行するので、過負荷で復旧作業に影響が出ます。
それを防ぐために、接続を制限している様子がキャプチャされています。割と貴重なのでは。

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手振れ補正ユニットの超音波モーターを駆動する

デジカメ用の超音波モーターを動かします。XYの2軸のアクチュエータで、物体をサブミクロンオーダーで精密に動かすことができます。
前回作ったレーザー顕微鏡の改良のために、物体を精密に動かすステージが必要だったので、手振れ補正ユニットを試してみます。

なにこれ

コニカミノルタが開発した、デジタル一眼レフカメラ用のセンサーシフト方式手振れ補正ユニットです。(コニカミノルタが開発、その後ソニーがコニカミノルタのカメラ部門を買収)

コニカミノルタ・ソニーのAマウント機に入っています。
ちなみにEマウント機の手振れ補正ユニットは超音波モーターではなくボイスコイルモータを使ってるらしいです。参照:ifixit α7R II

コイツには SIDM型リニアアクチュエータ が2本付いており、X・Y軸でイメージセンサを動かすことができます。

Image stabilizer group Anti shake assy Frame repair parts For Sony DSLR-A230 A330 A380 Camera
Image stabilizer group Anti shake assy Frame repair parts For Sony DSLR-A230 A330 A380 Camera
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レーザー走査型顕微鏡を作る

実験の様子
撮影結果
光学顕微鏡画像にレーザー走査型顕微鏡の撮影結果を重ねる

前回記事 ⇒ DVDピックアップの解析

DVDピックアップ2個と、AnalogDiscovery2を使うことで、レーザー走査型顕微鏡を簡単に作ることができました。

必要なもの

  • DVDピックアップ ×2個
    • HOP-150Xを使った
    • PHR-803T も使えると思います
  • Analog Discovery 2 ×1個
    • たぶん初代Analog Discoveryでも動くと思う
  • 抵抗 100Ω ×2個、 470Ω ×2個
  • ケーブルとか
  • 固定する台座とか

今回はポリウレタン線で配線を引き出しましたが、細かい箇所が多いので苦痛です。
0.5mmピッチ・26ピンのフレキケーブルとフレキコネクタ変換基板を用意すれば、簡単に配線できると思います。
( AliExpressで買えるフレキ変換基板の例 これが適合するかどうかは不明です。ピン数が合わないですが、フレキを縦に切って26ピンにすれば使えるのでは? )

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DVDピックアップの解析

PDIC closeup. Die marking is “NEC C9134”.

本記事では、レーザー走査型顕微鏡を作るためにDVDピックアップのリバースエンジニアリングをしたので、その結果を紹介します。
次回「レーザー走査型顕微鏡を作るで、顕微鏡の作り方を紹介します。

はじめに

光学ディスクのピックアップは、大量生産によって非常に安価に入手できるわりに、とんでもない性能を持っています。

  • レーザー光を直径1μm程度のスポットに集光させる
    • 2層DVDの層を分離できる程度の非常に薄い被写体深度と高精度なピント合わせ
    • 「非点収差法」を使って、物体との距離を精密に測定できる
  • 高速かつ高精度なスポット位置決め
    • ディスクに700nm間隔で並ぶ幅300nmのトラックに正確に追従
    • 10000rpm・線速度60m/s(216km/h)で回転するディスクに追従できる程度の速さ
  • 非常に強いレーザー出力
    • パルス駆動で300mW、連続発光(CW)で100mW程度 (書き込み対応ドライブの場合)
    • レーザー加工機と比べたら小さいが、こっちは直径1μmに集光できるぞ
  • 高周波性能
    • レーザー光を100MHzで点滅させて、反射光を検出できる
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