はじめに
いろいろと試行錯誤を繰り返した結果、ようやく0.5mmピッチのQFPパターンの切削に成功しました。
基板加工機では、プレッシャープレートというものを基板に押し付けることでZ軸が基板の傾きに追従することで切削深さを一定に保ちます。iModelaにはプレッシャープレートがないので、基板高さを測定しソフトウェアでZ軸を基板の傾きに追従させ、切削深さを一定に保つという解決策を試行しました。
切削条件
- 切削速度 V0.5 mm/sec
- 切削深さ 0.04mm
- スピンドル回転数 20000rpm
- 刃物 土佐昌典VC
改良点
iModela本体の改造
- 25mm程度のケミカルウッド製の捨て板をテーブルに固定、面出しを行う
- スピンドルモーターをブラシレスモーターに換装
- 京商 ブラシレスモーター (Xspeed VE) ラジコン用パーツ MZ504
- 同じシリーズで、「Xspeed VE エコチューン ブラシレスモーター」もある
- エコチューンじゃないほうは高回転数タイプ、エコチューンは低回転数タイプと思われる
- エコチューンじゃないほうを利用するとスピンドル回転数30000rpm以上で回るが、あきらかにそんな高回転は不要なのでエコチューンのほうがいいかもしれない。エコチューンのほうがトルクありそうだし
- 電圧かけまくったらスピンドル回転数60000rpmに到達した
- モータードライバは1000円くらいで売っているラジコン飛行機用 30A ESCを使用
- 京商 ブラシレスモーター (Xspeed VE) ラジコン用パーツ MZ504
- コレット径を土佐昌典VCを使用するために3.175mm対応に改造
- 旋盤で穴を3.2mmに広げる
ソフトウェア
- 切削する基板の傾き・曲がりを測定し、ハイトマップで刃物高さを補正することで切削深さを一定にするソフトウェアを作成
- だいたい20mm間隔で15点の基板の高さを測定
- 高さ測定は基板と刃物の間の電気抵抗を測定し、基板とは物が接触すると抵抗値が低くなり電流が流れることを利用
- 直線補間
作成したソフトウェア
概念実証みたいな感じなので完成度が低いです。公開できるレベルに達していないので、ここでの公開はしません。ソースコード欲しい人はこっそり自分まで連絡してください。Twitterが一番反応が早いと思います。

基板高さを測定した結果、まっすぐに固定されているように見える基板でも0.2mm程度の傾き・曲がりがあることがわかりました。切削深さは0.04mmなので、Z軸の追従なしでは明らかに切削深さが一定にならないことがわかります。
このiModelaの誤差が大きいのか、iModelaの精度は全部こんな感じなのか、それとも低価格CNCは0.2mm程度の誤差はよくあることなのか、は不明。情報お待ちしております。